ビチュコフのエレクトラ

土曜日のサロメに続き、日曜日のプロムスはエレクトラの全曲演奏会形式上演でした。

8月31日 ≪Prom 59≫
R.シュトラウス/歌劇「エレクトラ」
 BBC交響楽団
 指揮/セミョーン・ビチュコフ Semyon Bychkov
 エレクトラ/クリスチーヌ・ゲルキ Christine Goerke
 クリソテミス/ガン=ブリット・バークマン Gun-Brit Barkmin
 エギスト/ロバート・キュンズリ Robert Kuenzli
 オレステス/ヨハン・ロイター Johan Reuter
 第1の少女/カタリーナ・ブラディッツ Katarina Bradic
 第2の少女/ゾーヤナ・クシュプラー Zoyana Kushpler
 第3の少女/ハンナ・ヒップ Hanna Hipp
 第4の少女/マリー=イヴ・マンジャー Marie-Eve Munger
 第5の少女/イリス・クプケ Iris Kupke
 監視人/ミランダ・キーズ Miranda Keys
 若い召使/イヴァン・トゥルシック Ivan Tursic
 オレステスの後見人/ヨングマン・パーク Jongmin Park
 合唱/BBCシンガーズ

連日のシュトラウス・オペラということで体力的にもハードでした。サロメがベルリンからの客演だったのに対し、こちらはホスト・オケのBBC響。それにしても英国のオーケストラはタフだなぁと感心してしまいました。
こちらは事前に発表されていた内容と同じで、キャストの変更はありません。

サロメは同じ1幕物でも全4場に分かれていましたが、エレクトラには場割は無く、純粋に一幕通し。その分聴く方も覚悟して掛からないといけませんね。
そこで小生の提案は、全体をサロメと同じように4つに分割して理解すること。今聴いているところが全体のどの辺りに位置しているかを知っておけば、忍耐力も集中力も維持できると思慮します。その具体案は、
(1)エレクトラのモノローグとクリソテミスのモノローグ (2)クリテムネストラのモノローグとエレクトラの復讐の誓い 第1間奏曲を挟んで(3)姉妹の対話と姉弟の邂逅 第2間奏曲を挟んで(4)復讐の場と勝利の踊り

というのですが、どうでしょうか。(1)と(2)を含めて前半、(3)と(4)で後半というのはスコアの練習番号でも明らかで、前半は練習番号275まで、後半は新たに1からスタートして262まで続きます。後半には数字の後に「a」というサフィックスが付けられていますしね。
四つの部分を練習番号で示すと、(1)は冒頭から127まで (2)は127~275 (3)は1aから183aまで (4)がそれ以降最後まで となります。

今回の演奏もビチュコフの気合がネット中継で伝わってくるほど熱いものでしたが、細かいカットが多数あったのが残念でした。スコアを見ながら聴いていると「飛ばす」箇所に何度も遭遇し、煩わしく感じます。もちろん何処に飛んだか判らなくなるようなカットは無いのですが、見ていて落ち着きません。
因みにビチュコフのヘンスラー盤(プロフィール・レーベル)をNMLで聴いてみましたが、こちらは唯の1小節のカットもありません。やはりプロムスでは演奏時間の長さに配慮したのでしょうが、却って逆効果じゃなかったでしょうか。あくまでも個人的な感想ですが・・・。

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